2018年度 大学訪問②

2018年度 大学訪問記②

H4電気卒 佐伯さん編


1.訪問スケジュール

 訪問日: 2018年10月19日

  • 13:00~13:30 永田研究室
  • 13:30~14:00 平山研究室
  • 14:00~14:30 金研究室
  • 14:30~15:00 本間研究室
  • 15:00~16:30 富士通(株)CTOの佐々木繁様の講演
  • 16:30~17:00 向川研究室
  • 17:00~17:30 三浦研究室
  • 18:00から懇親会

2.内容

 まず始めに、今回一般参加の中から大学訪問者として選定頂きありがとうございました。私は、26年前である1992年3月 電気工学科卒業生になります。妻の実家が盛岡であるため2年に1度ぐらいの頻度で盛岡に帰省しているのですが岩手大学の構内に入るのは、10年以上前に会社のリクルートで来たのが最後だったと記憶しております。工学部1階の下駄箱からスリッパを出して工学部構内に入った瞬間に、在学当時の「試験勉強で徹夜したり、二日酔いを我慢して講義に出席したり、大学をさぼってバイトしたり…」思い出が、ぶわっと吹き出し、なんとも言えない、懐かしいような恥ずかしいような気持ちになりました。そこから、ゆっくりと噛みしめるように階段を登り研究室へ、私のいた電気工学科の建屋はあまり変わっていませんでしたが、各学生の机の上には、今では当然ですがデスクトップPCやノートPCがおいてあり、また構内でタバコを吸えなくなっていたのにも時代の流れを感じさせてくれました。


理工学部の前のコンビニの前でタバコを吸う佐伯さん

 偶然とは恐ろしい物で、これから各研修室を回ると言うことで、荷物を置かせて頂いた部屋に女性の技官の方がいらっしゃったのですが、「私の時代には女性のこんな可愛らしい技官の方はいなかったなぁ」とか考えていると、突然「小川千恵ちゃんの会社の方ですよね?」と声をかけられ私自身「???」に。話をしてみると私の会社の後輩(岩手大学出身)が去年2017年12月に青森県弘前市で結婚披露宴をしており、私が会社の先輩と言うことで、乾杯の挨拶をしたのを覚えていたそうで、まさか大学訪問でお会いすることになるとは、こんな偶然もあるのだなと驚きました。更にもう一つ驚く出来事があったのですが、今回一緒に同行して頂いた内藤さんは私の2年後輩に当たる方だったのですが、盛岡駅からタクシーに乗った時に、ここに昔、飛行船というお好み焼き店があって私は初代船長(店長)だったことを話したところ内藤さんの友人がバイトしていたそうで内藤さんも食べに来たことがあったとのこと、また、友人の名前を聞くと私がお好み焼きの焼き方などを教えた方であることが判明。不思議な縁に驚きの連続でした。後日談ですが内藤さんがその友人と食事をした時に私のことを聞いたそうで、きちんと覚えていたことをご報告頂きました。

今回、大学訪問に科会役員以外で初めて参加していただいたお二方
(左:H4電気卒 佐伯さん、右:H5電子卒 内藤さん)

 話を元に戻します。今回は、上記訪問スケジュールにある通り非常にタイトなスケジュールとなっており、学生のプレゼン&質疑応答が絶え間なく行われ、また途中で岩手大学理工学部内 銀河ホールにおいて富士通(株)CTOの佐々木繁様の講演 デジタル時代の「信頼」と「創造」も拝聴する事ができ非常に内容の濃い大学訪問となりました。

S54情報卒 富士通㈱ CTO 佐々木繁様のご講演の様子

 私が学生の頃は丁度NECのデスクトップPCが出始めた頃で、当然パワーポイントなど無くOHPシートでプレゼン資料を作り何度も修正編集を繰り返し徹夜で作った物でした。作るのが精一杯で発表内容等はあまり練る時間がなかったと記憶しています。今の学生は、写真や3D画像、アニメーションを駆使して自分の研究内容を整理しつつ、かつ聞き手に分かりやすく説明出来るように纏めている事が覗えました。質疑応当の時の説明も皆さん堂に入った物で分かりやすく必要十分な回答が出来ていたのではと思います。内容も量子コンピュータからサーボや音響工学まで多種多様に渡っており、大変興味深く拝聴させて頂きました。今の学生の頑張りや年長者に対する対応の仕方などすべてにおいて十分なものでしたが、一つ懸念事項があるとすれば、会社や企業が求める人材像とのギャップです。私が卒業した時にも感じた事ですが、岩手大学は、要素研究を中心に力を入れているため、現在でも研究機関以外の会社や企業では即戦力になるのは難しいのかなと感じました。後述しますが、大部分の学生は研究機関以外の職に就きますので、会社や企業が必要としている人財像や社会人としてのハート的な部分を伝えるのは、我々(同窓会)が貢献できる部分ではないかと思いました。

修士2年の方に研究内容の説明を受ける佐伯さんと内藤さん

 私の会社は物作りの会社で、レーザを利用しプリント基板に穴を明ける加工機を機械本体から制御装置まで一貫した製品を製造販売しており、私は、電気のハード、ソフト設計をしています。私が大学を卒業して就職し設計に配属された直後に1番感じたのは、即戦力にはなれなかったという事、高等専門学校卒業の方が即戦力になって会社の役に立っていたという事です。これは高専と大学の教育方針の違いで、予算の関係等々あるのでしょうが、高専は会社や企業での実務に近いものを教育に取り込んでいるため、即戦力になりえる学生が出来やすいのだと思います。即戦力は会社や企業にとって重要かつ必要な人財ですが、私の経験を振り返ると会社内業務の枠を超えて色々なことに興味を持って、大学で学んだ基礎知識、要素研究をする中で培った物事に対するアプローチの仕方で、立ちはだかる問題を次々と打破して行くのは大学卒の方が多いと感じています。この辺も学生に伝えたい内容の一つ事になります。

  今回、それぞれの研究室訪問にあたり、役員の方が、始めに電気電子情報科会の存在意義、活動内容等、説明していましたが、学生の方はあまりピンと来ていないように感じました。学生達の反応も至極当然で、年に1度、自分の父親と同じかそれ以上年上の方が大学に来て、「岩大OBの電気電子情報科会です」「関東に来た際には一緒に…」と言ってもしょうが無いことで、我々から何か学生達のメリットとなるような事が提供できれば、良い関係が出来るのではと思いました。懇親会では、私が行っている業務内容や社会的責任の話をすると食いついてくる学生が多く、やはり社会人となり今後経験するであろう情報にはアンテナが立っているようでした。今後の科会の大学訪問の際には、情報提供という意味で、ざっくばらんに我々が社会人として、この年までに培った至極当然な事、例えば、「失敗とは」「反省とは」などのプレゼンがあっても良いのかなと感じました。学生は、これから社会に出るにあたり、色々不安に思っていることが多いはずです。これらの情報を通して学生に社会人の心構えや楽しさなどを提供する事が出来ればGive&Takeの関係が出来、我々の後輩である岩大生が社会に飛翔するための一助となるのではと考えます。

学生さんや先生たちと二次会の三寿司で語る佐伯さん

3.最後に

 今回、ご同行頂いた役員の加瀬さん、三浦さん、訪問スケジュールなど大学側との事前準備等々大変だったと思います。本当に有意義で楽しい時間を過ごさせて頂きありがとうございました。今回、現役岩大生と交流が出来、昔の自分に合ってきたような気がします。50歳になり少し疲れかけてきた社会人生活も岩大生からエネルギーを頂きリセット完了。これからも頑張れそうです。

最後になりますが高橋先生、三浦先生、当日は、深夜まで懇親頂き深謝致します。